本記事では、月150件前後の通報を受け付ける東京都足立区役所様(以下:足立区様)の「不法投棄・落書き110番」業務において、 Accessからkintoneへリプレースし、保守性向上と月5~7.5時間の業務削減を実現 した取り組みをご紹介します。
▼ 主な導入効果
- 月あたり約5~7.5時間の業務削減 ― 関係部署との連携がシステム上で完結し、1件あたり2~3分の対応時間を削減
- 集計・レポート作成がボタン操作で実施可能に ― 業務効率が向上、外部出力も容易に
- 人事異動時の操作教育回数が従来の半分以下に ― 利用者からの問い合わせ件数も減少
- システムエラーが発生せず、安定した運用を実現
- 他課の対応状況をシステム上で確認可能に ― 部署間の連携が円滑化
- 選択式入力への統一により入力ばらつきが解消、集計精度が向上
お客様情報|足立区様「不法投棄・落書き110番」業務
足立区様では、不法投棄や落書きの発見時に区民からの通報を受け付ける総合窓口「不法投棄・落書き110番」を設置し、通報内容の確認、関係部署や施設管理者への対応依頼、現地対応を行っています。通報は電話、Web、LINEなど複数の手段で受け付けており、月150件前後の通報が寄せられています。特に電話とLINEによる通報が多く、区民や通報協力員からの情報をもとに、状況に応じて不法投棄物の撤去や落書きの消去などの対応を実施しています。
また、不法投棄物の撤去支援や落書きの消去支援、防止対策(看板・機材の貸与等)も行い、区・区民・施設管理者が連携して、街の美化と環境保全を推進しています。
| 団体名 | 足立区役所 様 |
|---|---|
| システム利用者 | 約50名 |
| 利用部署 | 生活環境保全課/道路管理課/道路維持課/公園維持課/交通対策課 |
| 業務概要 | 「不法投棄・落書き110番」通報の受付、関係部署・施設管理者への対応依頼、現地対応、撤去・消去支援、防止対策(看板・機材の貸与等) |
| 通報件数 | 月150件前後(電話・Web・LINE) |
| 導入前システム | Access |
導入前の課題|Accessシステムの老朽化と属人化
足立区様では令和2年から令和7年まで、通報管理業務を Access で構築されたシステムで運用してきました。しかし数年の運用期間を経て、以下のような課題が顕在化していました。
課題①
保守体制の維持困難とノウハウの属人化
担当者の退職で保守体制が失われ、障害対応が困難になっているうえ、運用ノウハウが特定職員に依存しているため、その不在や異動が業務継続のリスクとなっていた。
課題②
一部業務(集計・レポート作成など)の作業負荷
集計や報告書作成を手作業で行っているため作業負担が大きく、処理遅延が発生していたため、定型業務の自動化が求められていた。
課題③
入力内容のばらつきによるデータ集計・分析の非効率
一部の自由入力が許容されている項目で表記ゆれや誤入力が発生し、同一カテゴリでの集計が困難となり、分析やデータ整備に余計な工数が発生していた。
課題④
関係部署との迅速な情報共有が困難
通報内容に応じて関係部署と連携して対応しているが、各部署の対応状況を把握・共有することが難しく、対応状況の確認に時間を要していた。
解決策|kintoneによる通報受付から対応管理までの一元化
これらの課題に対し、kintoneをベースに通報受付から対応管理までを一元的に行うシステムを構築しました。
通報受付(電話・Web・LINE)、関係部署への対応依頼、現地対応状況の記録を一体的に管理し、業務の見える化と標準化を図りました。入力項目は選択式を中心に設計し、入力のばらつきを防ぐとともに、集計・分析の効率化を実現。また、レポート作成や集計処理はボタン操作で実行できるようにし、定型業務の効率化を図りました。
関係部署との連携についても、対応状況をシステム上で共有できるようにすることで、電話による個別確認を削減し、進捗把握の効率化を実現。さらに、既存(Access運用時)の項目を整理し、画面構成の見直しを行うことで、操作性の向上を図りました。
保守面では、軽微な修正や改善を迅速に反映できる運用とし、継続的な改善が可能な体制を整えています。
また、「R-Cloud Proxy for kintone(※)」の導入により、LGWAN環境からkintoneを利用できる構成を実現し、高いセキュリティを確保しながら業務システムとして活用しています。
※R-Cloud Proxy for kintone・・・行政機関専用のネットワーク「LGWAN」から、kintoneを利用するためのセキュアな環境を提供するクラウドアクセスサービス(LGWAN-ASP)です。
取り組みのポイント
- kintoneを活用した通報受付~対応管理の一元化
- 入力項目の標準化(選択式中心)によるデータ品質向上
- レポート・集計のボタン化による業務効率化
- 関係部署間の情報共有のシステム化
- 既存業務(Access等)の見直しによる業務整理・UI改善
- 保守性を考慮した柔軟な改修・運用体制の構築
導入後の効果|定量・定性の両面でメリットを実感
導入前に整理した課題に対し、それぞれ次のような効果が得られています。
効果① 保守性の向上と安定稼働
- システムエラーが発生せず、安定した運用が実現できている
- 障害発生時の対応もしやすくなり、保守性が向上した
効果② 集計・レポート業務の効率化
- 集計やレポート作成がボタン操作で実施できるようになり、業務効率が向上
- 外部出力も容易になり、事務作業の負担が軽減
- 人事異動時の操作教育が簡素化され、操作指導の回数は従来の半分以下に
- 利用者からの問い合わせ件数も減少し、教育・サポート工数を削減
効果③ 入力ばらつきの解消と集計精度向上
- ドロップダウンやラジオボタンを活用して入力を選択式に統一したことで、職員が迷わず入力できるようになった
- 集計に扱う項目を選択式にすることで入力内容のばらつきが解消され、集計精度が向上するとともに、入力作業の効率化を実現
効果④ 関係部署連携の時間短縮
- 関係部署との情報共有をシステム上で行えるようになり、電話で詳細を説明する必要がなくなった
- 1件あたり約2~3分の対応時間を削減でき、月150件前後の通報対応では月あたり約5~7.5時間/月の業務削減効果を実現
その他の効果
- Accessで運用していた頃から残っていた不要な入力項目を、システム設計時に見直し・整理することで、入力しやすい画面構成を実現
- 他課の職員でも初回の説明だけで利用できるようになり、操作性・ユーザビリティが向上
- 他課の入力内容や対応状況を容易に確認できるようになり、部署間の連携が円滑に
業務のデジタル化・効率化に悩む皆様へ|この事例から分かること
足立区様の事例は、業務のデジタル化・効率化を推進する自治体・企業にとって、kintone活用の有効性を示す好例と言えるでしょう。
- Access時代からの業務見直しとセットで実施
- 選択式入力によるデータ品質向上
- 集計・レポートの効率化
- 関係部署間のリアルタイム情報共有
これらを通じて、保守性・効率性・データ品質という3つの軸で業務改善を実現しました。
月150件という高頻度で発生する通報業務において、月5~7.5時間の削減は年間60~90時間規模の効果となり、限られた行政リソースの有効活用にも直結します。「街の美化を守る」現場業務の裏側で、kintoneが確かな業務基盤として機能している——足立区様の取り組みは、行政DXの一つのモデルケースと言えるでしょう。
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- 集計・レポート作成の手作業を自動化したい
- 入力ばらつきをなくし、データを分析・活用できる状態にしたい
- 部署間の情報共有をシステム化して電話確認を減らしたい
両備システムズでは、kintoneを活用した業務システムリプレース・業務改善をご支援しています。
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