自治体強靭化βモデルの認証基盤を最適化
セキュリティと利便性を両立させ大幅な運用負荷軽減
「ARCACLAVIS Ways」導入事例

志布志市 様

自治体強靭化βモデルの認証基盤を最適化 セキュリティと利便性を両立させ大幅な運用負荷軽減

自治体情報システム強靭性向上モデルのβモデルに、先駆的に取り組む志布志市。同市では、業務システムへのログインにおいて、最大4回必要となるID/パスワード入力の手間や、指紋認証の運用管理負荷の増大に課題を抱えていた。そこで解決のカギとなったのが、「ARCACLAVIS Ways」だ。シングルサインオンや、既存の職員証ICカードを利用した二要素認証によって、ユーザ認証の運用負荷が軽減された。

志布志市

  • 組織名:志布志市
  • 所在地:鹿児島県志布志市
  • 導入クライアント数:550台
  • ユーザー数:550人
  • 導入製品:ARCACLAVIS Ways
  • 導入時期:2022年6月
  • [URL] https://www.city.shibushi.lg.jp/

対象製品

ARCACLAVIS Ways

多要素認証・シングルサインオンがオールインワン
標的型攻撃、不正アクセス、内部からの情報漏えいなど企業や団体の事業を継続する上で、脅威となるセキュリティインシデントはますます増加しています。マイナンバー時代を迎え、守るべき個人情報や対策への意識がより高まっています。
セキュリティ対策として「本人認証」の強化はITシステムの基盤となるものです。暗号化や仮想化によるデータ保護、ログの管理だけでは、ID/パスワードの流失・漏えいによる不正アクセスやなりすましを防げず、情報資産の不正利用のリスクは残ったままです。
認証強化のシステム導入は、顧客情報、取引先情報など守るべき情報資産を抱えるすべての企業、団体において必要なセキュリティ対策です。

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ユーザ認証の手間増大と運用管理負荷に悩む

鹿児島県志布志市は、四季折々の豊富な海の幸、山の幸に恵まれ、食の宝庫である。そのなかでも代表的なうなぎは、生産高全国ナンバーワンを誇る鹿児島県の中で、50%以上が同市で生育されている。そして、岩がき、しらす「背白ちりめん」、そばなども名産だ。また、「続日本100名城」にも選ばれた志布志城、薩摩武士が生きた町である武家屋敷群「麓」などの史跡も魅力があふれる。

志布志市はDXへの先進的な取り組みでも知られる。総務省の「自治体DX推進手順書」に基づき、2021年8月に「志布志市デジタル化推進計画」をいち早く策定した。庁内システムの全体最適化はもちろん、市民からの問い合わせなどに細かく対応し、各種行政情報をオンライン上できめ細かく提供する市公式LINEアカウントなど、さまざまな角度からDX推進に力を入れている。

また、志布志市では新たな情報セキュリティ対策として「自治体情報システム強靭性向上モデル」のβモデルへの移行を意欲的に進めている。志布志市 情報管理課 デジタル化推進係 係長 加治木 梢 氏は「住民サービスと行政内部事務のオンライン化の要望が急激に増加する中で、それに応えるべく、従来のLGWAN系を主としたαモデルから、インターネット系を中心とした強靭化βモデルへの移行を決断しました。適切なセキュリティ対策を講じたうえで、住民サービス向上と事務効率化を図ります」と話す。

強固なセキュリティ対策を講じながら、同市では業務のデジタル化に積極的だ。住民サービスのみにとどまらず、「職員個人所有のスマートフォンを利用するBYODを活用し、水道などインフラ点検・整備の現場から、職員が庁内の担当者とやり取りすることで作業の効率化ができるチャットツールを導入しています」(加治木氏)など、デジタルツールを活用した庁内業務の効率化が進んでいる。

このように住民サービス向上と事務効率化を堅実に実施している同市だが、業務端末や業務システムへのログインにおける運用面で課題を抱えていた。業務端末、仮想デスクトップ、業務システムの3段階で、ID/パスワード認証が必須であった。さらにマイナンバー系など一部システムでは、指紋認証を追加した二要素認証も必要だ。

「ログイン操作は最大で計4回に上り、職員の負担となっていました。情報管理課にとっても、指紋の読み取り不良によるログインエラーの頻発など、トラブル対処や問い合わせ対応や、指紋とActive Directoryとの紐づけ作業などに、多くの時間と労力が奪われていました」と加治木氏は振り返る。

シングルサインオン機能と多彩な認証パターンを評価しARCACLAVISを導入

こうした課題を解決すべく、ユーザ認証を抜本的に見直すことになった。そこで採用された製品が両備システムズの「ARCACLAVIS Ways」(以下、ARCACLAVIS)である。多要素認証・シングルサインオンに対応した認証セキュリティソリューションだ。

加治木氏は採用理由を次のように話す。「幅広いシステムやブラウザに対応したシングルサインオン(以下、SSO)、多彩な認証パターンを高く評価しました。特に、今後の本市の強靭化βモデルにて、デジタル三原則やテレワークなどの実現を視野に入れた場合、セキュリティを確保し、職員の負荷軽減や他システムとの幅広い連携なども考慮する必要があります。ARCACLAVISはそれを実現できる機能が豊富に揃っていました」(加治木氏)

2021年11月に導入を決定し、2022年4月から構築開始。二要素認証には従来の指紋認証の代わりに、同市の職員証のICカードを用いて全職員を対象とした。「既存の職員証をそのまま使えたのがよいですね。そのおかげもあり、指紋認証導入時に比べ、圧倒的に少ない工数で済みました。導入コスト削減にも貢献できています」(加治木氏)
本稼働を迎えたのは2022年6月だ。庁内への展開はボトムアップ式で実施した。同市では、各課にIT推進役として「電子自治体推進リーダー」を兼任で一人ずつ配置している。「各課の電子自治体推進リーダーの取りまとめのもと、各ユーザの初回ログイン時の登録作業を職員自身で行ってもらいました」(加治木氏)

職員の事務負担と運用管理負荷を大幅に軽減

志布志市はARCACLAVISの導入によって、多くの効果を得ている。まず挙げられるのが業務効率化だ。
「これまで最大4回必要であったログイン操作が、SSOによって1回だけになり、時間と工数が飛躍的に削減できました。全体で月に1,779時間も削減できたという試算結果も得られています。職員の事務負担軽減とともに、市民サービス向上に直結しています」(加治木氏)

以前はマイナンバー系など一部システムの担当者だけであった二要素認証の対象を、現在は全職員対象としたため、全庁でセキュリティ強化も果たすことができた。情報管理課の業務効率化の目標も達成できたという。「ログイン時の指紋認証に関する問い合わせ対応など、運用管理負荷がゼロになりました。その分の時間を強靭化βモデル運用やDXの推進といった本来の業務に費やすことができています」(加治木氏)

ARCACLAVISの導入効果が強靭化βモデルの構築に貢献できた点について、加治木氏は「今までセキュリティ対策を強化するほど、職員の業務負担が増えてしまうことがネックでした。ARCACLAVISはその点、セキュリティ担保と業務効率化を両立でき、将来のデジタル化施策の可能性を大きく広げられました」と語る。

今後は強靭化βモデルにより情報セキュリティを徹底した上で、自治体DXの取組を加速させていく。「デジタル化推進計画の一環として、テレワークを推進していく予定です。そのユーザ認証には、ぜひARCACLAVISを活用したいと思います。また、いずれは二要素認証にて職員証の代わりに、マイナンバーカードを使う構想も描いています」と加治木氏は展望を述べる。
これからも志布志市の強固な情報セキュリティ、そして職員の利便性と市民サービスの向上は、ARCACLAVISがサポートしていく。


取材に対応いただいた方

志布志市 情報管理課
デジタル化推進係 係長
加治木 梢 氏

※ 2023年1月取材
※ 記載の担当部署は取材時の組織名です。
【印刷用PDF】この導入事例を印刷に適したフォーマットでダウンロードできます。

志布志市のご紹介

南九州の東海岸に位置する志布志市は温暖な気候と豊かな陽光に恵まれ、緑の森や山、紺碧の自然が広がり、四季折々の豊富な海の幸、山の幸に恵まれた食の宝庫です。


うなぎ

広大な大地と河川、さらに霧島山系由来のミネラル豊富な地下水など恵まれた環境で育ったうなぎの味わいは絶品です。

岩がき

大ぶりでジューシーな一粒に海の滋養がギュッと凝縮された志布志湾産の岩がきは夏が旬で、噛むほど濃厚なうまみが広がります。

背白ちりめん

黒潮が恵んだ志布志湾の背白ちりめんはしらすの中でも高級品とされています。

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