健診データ収集システムの導入で実現した医療DX「スマートジェイワン」導入事例

一般財団法人 京都工場保健会 様

リアルタイムなデータ収集・活用で健康診断に関わる業務を大幅に効率化

「健康診断」「外来診療」「健康促進事業」「作業環境測定」「公益活動」の5つの事業を中心に、人々の健康的な生活を守り続ける京都工場保健会。同会の主軸となる「健康診断」事業では、現在年間50万人を超える受診者を受け付けている。

多くの受診者にきめ細かいサービスを提供するため、京都工場保健会では両備システムズが提供する「スマートジェイワン」を導入し、企業の事業所などに出向いて実施する巡回健診により、大幅な業務効率化を実現している。

一般財団法人 京都工場保健会

  • 1940年、「京都保健施設会」として発足。以来、「人々の健康を通じて、人類の福祉に貢献する」ことを経営理念に掲げ、「健康で、生き生きと働き続けることができる社会、組織」を目指し、「健康診断事業」「外来診療」「健康促進事業」「作業環境測定事業」「公益活動」の5つの事業分野において人々の健康を全面的にサポートしている。
  • [発足]1940年
  • [所在地]京都市中京区西ノ京北壺井町67番地
  • [URL] https://www.kyotokojohokenkai.jp/
  • [事業内容]健康診断事業、外来診療、健康促進事業、作業環境測定事業、公益活動

対象製品

クラウド型巡回健診データ収集システム「スマートジェイワン」

スマートジェイワンは、健診機関様の 施設・巡回健診現場において検査データや実施情報をリアルタイムに収集することで、事前事後の健診業務効率化をご支援いたします! システムの利用によりリアルタイムにデータを収集することで、現地の進捗確認や当日の実施結果を基にした医師の所見入力が可能です。会場終了後すぐに事後処理に取り掛かれるだけではなく、誤入力を防止する機能を活用し事後チェックに関する時間を大幅に削減できるため、結果返送が早くなる等、受診者満足度の向上にもつながります。

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導入前の課題と効果

  • 正確に検査結果をデータ化する負荷

    受診票に手書きされた検査データを、健診終了後にOCRで読み取り、データ化していたが、受診票への誤記入やOCRの誤読への対処に多くの時間を要していた。

    デジタルで検査データを収集し、正確で効率的な健診を実現

    検査機器とスマートジェイワンが連携し、タブレット端末で検査結果を確認するとともに、ネットワークを介して健診システムに登録されるので、検査数値の転記による誤記入が発生せず、受診項目と進捗状況の確認もその場で可能になり正確で効率的な健診を実現。

  • 搬出入の負担が大きい健診システム

    複ICカードとPCを用いた健診システムでは、PCなどを健診車へ搬入・搬出する負担が大きく、健康診断実施前後の作業負担が懸念された。

    健診現場のDXにより働き方改革を加速

    健診データはデータセンターで一元的に管理され、チェック作業はリモートアクセスによって巡回健診先から作業が可能となり働き方改革に貢献。

  • 障害・災害発生に備えたシステムとデータのバックアップ

    万が一の障害や災害の発生によるデータ消失を回避するため、BCP(事業継続計画)対策が求められていた。

    セキュアなデータ保存とBCP対策の推進

    両備システムズのデータセンターを利用し、セキュアなデータ保存とシステム運用を効率化するとともに、障害や災害発生に備えたバックアップ環境を構築。

課題・経緯

健診事業を中心に、長年にわたり人々の健やかな生活を支援

 1940年、当時全国にまん延していた結核の早期発見と健康保持を目的に、「京都保健施設会」として発足した京都工場保健会。「健康で、生き生きと働き続けることができる社会、組織」の実現を目指し、「健康診断」「産業保健」「診療」「環境測定」「公益活動」の5つの分野で事業を展開している。
 主力事業の健康診断では、同会の施設内で実施する施設健診のほか、企業の事業所などに出向いて実施する巡回健診にも対応している。施設健診は京都市中京区の本部をはじめとした9拠点を擁するほか、巡回健診では44台の各種健診車を配備する。22班体制のもと、一日約2,000名の巡回健診を行っており、年間50万人以上の健康診断受診者数を受け付けている。
 そうした中で同会の課題として浮上していたのが、巡回健診における業務効率化だった。
 健診技術部 部長 井上 春喜氏は、「これまでは健康診断の結果を紙ベースの受診票に手書きし、それをOCRで読み取ってデータ化していました。しかし、受診票の記入ミスやOCRの誤読によるエラーが起こることもあり、そのチェックや修正に手を煩わされていました」と話す。
「また、正確にデータ化するために、OCRによる読み取りとともに別の担当者が受診票を手入力し、両方のデータを突合してチェックする作業も行っていました。そうした作業にかかる負担やコストの削減も急務でした」(井上氏)
 これらの業務負担の解消に向け、すでに施設内で運用していたICカードとタブレット端末、PCを組み合わせた健診システムを巡回健診に転用する案も浮上したという。しかし、大がかりなシステムであったことから健診車への搬入・搬出の負担が大きいこと、また、一日2,000名にも及ぶ健診データのICカードへの取り込み、診断後のデータ削除といった作業も煩雑になり、新たな改善策が求められていた。

一般財団法人京都工場保健会 健診技術部 部長 井上 春喜 氏

導入の決め手

巡回健診の業務効率化への一手として「スマートジェイワン」の導入を決定

京都工場保健会が抱えるこうした課題を解決に導いたのが、両備システムズが提供する健診データ収集システム「スマートジェイワン」である。スマートジェイワンは、受診票に記入するのと同じ要領でタブレット端末から健診結果の入力ができる。OCR用紙への手書きが不要であるため、誤記などのミスが排除されるほか、健診結果はネットワークを介してリアルタイムで健診基幹システムに送信・登録されるため、帰着後のデータ取り込み作業やデータチェックの時間を大幅に削減できる。
 また、受診者の進捗状況をリアルタイムに確認して検査漏れを防止するほか、前回の結果とリアルタイムに比較することで、入力ミスを削減したり、しきい値を超えた入力に対してはエラー表示させたりすることも可能だ。
 京都工場保健会がスマートジェイワンを知ったきっかけは、他の健診機関で導入実績だ。「実際に利用しているところを見学させてもらい、タブレット端末によって健診データがシステムに自動登録されている様子を目の当たりにし、これであれば当会が抱えている課題を解決できると確信しました」と井上氏は振り返る。「また、他社の巡回健診システムも比較検討しましたが、スマートジェイワンは、他社製品のように過剰な機能が実装されておらず、シンプルでありコスト面でも優れていたこと、機能追加が必要となった場合には両備システムズによる柔軟なカスタマイズにも対応してもらえることも導入の決め手となりました」(井上氏)

導入後の効果・今後の期待

健診業務の大幅な効率向上働き方改革にも大きく貢献

 京都工場保健会は2015年春、スマートジェイワンの導入を決定した。その後、カスタマイズと試験運用を経て2016年8月からの本番運用をスタートさせた。以後、必要な機能を随時追加しながら、巡回健診の業務効率化に取り組みを重ねている。
 なお、京都工場保健会ではスマートジェイワンの導入を契機に、同会の健診システムを両備システムズのデータセンターにハウジングしている。井上氏は「BCPの観点から岡山の両備システムズのデータセンターを利用して、システムの可用性を高めることにしました。また、同センター内でクラウドサービスとして提供されているスマートジェイワンとの構内接続により、さらにセキュリティが高められたほか、両備システムズのサポートにより健診システムの運用性も向上しています」と説明する。
 スマートジェイワンの導入により京都工場保健会は多くの効果が現れているという。その1つが巡回健診に関する業務効率化だ。健診技術部 業務管理課 課長の上野 裕達氏は「検査機器との連携により、健診結果のデータがタブレット端末側に自動入力されるので、担当者が手書きする必要がなくなりました」と話す。
「手書きがなくなったことで記入ミスやOCRの誤読もなくなり、健診後の後処理にかかる業務量は大幅に削減されています。これまでデータ入力やチェックに携わっていた担当者を別の業務に充てられるようになり、人員配置の最適化も実現できています」(上野氏)
 また、身体測定や心電図測定など、各担当者が1日の実績を日報に記載する際に、従来は紙ベースの受診票で件数チェックを行っていたため、担当者間で受診票の閲覧待ちが発生していたという。
「スマートジェイワンの導入によって、画面上で実績データが参照できるようになったことで、チェック時間は待ち時間も含めて40分から15分程度に短縮されています。チェックも拠点に戻らずに行えるため、担当者は直帰できることも多くなりました。その結果、労働時間の短縮化につながるなど、働き方改革に大きく貢献しています」(井上氏)
 スマートジェイワンの導入により健診現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、業務の大幅な効率化を実現した京都工場保健会。上野氏は「両備システムズにはカスタマイズの依頼からトラブル対応まで、常に親身なサポートを提供してもらい、とても感謝しています。引き続き両備システムズには手厚い支援を期待しています」と評価する。
 最後に井上氏は、次のように今後の展望を語った。「現在、問診票についても電子化されているのですが、スマートジェイワンから生成されるさまざまな健診データとの組み合わせにより、顧客企業の健康管理に役立てられるような新たなサービスを創出していきたいと考えています」(井上氏)

一般財団法人京都工場保健会 健診技術部 業務管理課 課長 上野 裕達 氏



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