全国の災害時応援協定のデータベースをクラウド上に構築
9万件超の事例を共有し、検索や参照が容易に
「災害時応援協定システム」導入事例

内閣府(防災担当)様

災害時応援協定データを集約し、9万行超のExcelデータをクラウドへ

内閣府(防災担当)では、平成25年度から地方公共団体が締結した災害時応援協定を収集し、データベース化に着手。当初はExcelの表に協定書などのPDFファイルをリンクさせデータを共有していたが、全体で容量が数十GBに及び利便性が悪く、サーバからのダウンロードによる共有の他、物理媒体で個別送付する等の対応も行っていた。Excelデータのクラウドへの配置など、システム化を伴わない必要最低限の改善も検討したが、近年における災害の激甚化・頻発化等に鑑み、クラウド上でのデータベース化とシステム構築を判断。令和3年度に「災害時応援協定システム」を構築し、協定締結の促進を図っている。

内閣府(防災担当)

  • 内閣府(防災担当)では、広範な分野において政府全体の見地から、防災に関する基本的な政策、大規模災害発生時の対処に関する企画立案及び総合調整を行っています。また、災害時応援協定に関する業務として、災害時に地方公共団体が迅速かつ効率的に応急対策等を行えるよう、他の地方公共団体や民間企業等との協定の締結促進に取り組んでいます。

対象製品

災害時応援協定システム

各地方公共団体の災害時応援協定に係る協定書、覚書等をデータベース化し、防災行政の基礎資料として、新たな協定締結の参考等にすることを目的に、関係府省庁、地方公共団体に共有するもの。クラウド上で協定締結情報の登録、更新が可能。他にFAQ、認証機能、管理者機能なども備えている。

導入前の課題と効果

  • 肥大化するExcelデータ
    収集・更新の作業負荷

    災害時応援協定の数は年々増加し、PDFリンクを含むExcelデータは9万行を超えた。データの整理・更新の作業が膨大。

    地方公共団体との協定締結情報の共有が円滑化

    クラウドでのシステム化により、地方公共団体との情報共有が容易に。 内閣府(防災担当)でも情報の集約や更新が効率的に行えるようになった。

  • 数十GBのデータ共有が困難
    物理メディア送付が煩雑

    地方公共団体とのデータの共有はクラウドからのダウンロードを試行したが、通信環境などに難があり物理媒体などで送付。データ共有に時間を要する。

    大容量データの送付や事務作業が無くなり効率化

    クラウド上で必要な情報の閲覧が可能となり、物理媒体等によるデータの配布作業も解消。地方公共団体も受領データの管理が不要となり業務が効率化。

  • 迅速な照会や分析が困難
    協定締結事例の共有に課題

    データ容量が多く、協定内容の照会や分析が困難なため、地方公共団体が新たな協定締結を検討する際の事例共有に課題。

    他の地方公共団体の取り組みの参照による知見の共有

    検索性が高まり、協定内容が迅速に参照できることで知見が共有され、地方公共団体の新たな協定締結を促進。FAQ機能により問い合わせも減少。

災害時応援協定システムの主な要件と対応した内容

要件(1)
地方公共団体がクラウド上のデータベースにアクセスし、協定データの登録・閲覧を簡便に行える
実現した内容(1)
シンプルな画面により各地方公共団体による登録・更新が可能。協定の内容選択もチェックボックスで簡易に
要件(2)
データの検索・照会・更新を効率的に行え、ログイン、FAQ、一覧表などの機能を備える
実現した内容(2)
協定本文からキーワードを検索でき、協定データの検索が容易。FAQの検索機能によりノウハウの蓄積・共有も可能に
要件(3)
公開範囲の権限制御が行え、政府のセキュリティ基準に対応できる
実現した内容(3)
セキュリティ対策、認証機能、管理者機能などを網羅したフレームワークを採用。政府のシステムとして安全性を担保

お客様の声(感想)

クラウドでのシステム化でDBの活用促進

内閣府(防災担当)では、地方公共団体における災害時応援協定の締結に向けた取り組みを推進するため、平成25年度から「災害時応援協定データベース」の運用を開始しました。運用当初は地方公共団体から共有いただいた協定書や関連資料等のPDFファイルをリンク付けしたExcelデータベースで運用していましたが、その後も多くの協定データを提供いただき、令和3年度時点でデータ数は9万件を超え、30GB超の容量となりました。インターネット経由でのデータ共有には、環境によってダウンロードできないなどの課題があり、ハードディスクなどの物理媒体による共有も行っていましたが、こうした作業の負担軽減や、データベースの利便性向上・活用促進を目的に、システム化について検討しました。

内閣府 政策統括官(防災担当)付
参事官(防災計画担当)付
参事官補佐
高橋 昌史様

シンプルさを保持しつつ業務効率化につなぐ

システムの構築では、シンプルさと必要な機能の保持を重視しました。複数の開発会社にヒアリングし、ログイン、FAQ管理、協定データのアップロード/ダウンロード、一覧表作成、公開範囲制御などの機能を要件にしました。結果として、全ての地方公共団体がクラウド上のデータベースにアクセスし、協定データを閲覧・提供できる「災害時応援協定システム」を実現しました。各団体の協定締結状況を容易に確認でき、大量のデータ配布や管理の必要がなくなったことで業務効率化につながったことに加えて、地方公共団体におけるデータベースの利便性も向上しました。

内閣府 政策統括官(防災担当)付
参事官(防災計画担当)付
参事官補佐
佐々木 明彦様

民間企業の知見を活かす

災害時応援協定システムに加えて、近年の激甚化・頻発化する災害への効果的で効率的な対応を強化するために、内閣府(防災担当)では「防災×テクノロジー官民連携プラットフォーム(防テクPF)」を設置しています。このプラットフォームは、地方公共団体の防災に関するニーズと、民間企業が持つ先進技術をマッチングする場となります。地方公共団体の方々には、災害時応援協定システムを積極的に活用いただき、災害時応援協定の締結を進めていただくとともに、防テクPFの活用により民間企業の技術や知見の活用について検討し、災害対応力の強化に向けて取り組んでいただけるよう期待しています。
(参考:「防災×テクノロジー官民連携プラットフォーム」https://www.bosaitech-pf.go.jp/)

内閣府 政策統括官(防災担当)付
参事官(防災計画担当)付
主査
豊泉 英明様

2023年5月取材時点

災害時応援協定システムについて

関係府省庁・地方公共団体がクラウド上のデータベースにアクセスし、地方公共団体が締結している災害時応援協定の検索・照会・更新ができる。関係府省庁と地方公共団体が効率的に活用するための管理システムとして、ログイン機能、FAQの登録・修正・検索・照会、協定データのアップロード/ダウンロード、協定データの一覧表作成、公開範囲の権限制御などの機能を持つ。

災害時応援協定とは?

災害時応援協定とは、災害対応に係る人的・物的支援について、地方公共団体が他の地方公共団体や民間企業等との間で締結する協定・申合せ書・覚書等を指します。阪神・淡路大震災や東日本大震災等の大規模災害の発生を契機に、災害時に相互に助け合うことの重要性が広く認識され、地方公共団体間や地方公共団体と民間事業者間で締結する災害時応援協定に関する内容が法や計画に位置づけられてきました。内閣府(防災担当)では、災害時に地方公共団体が迅速かつ効率的に応急対策等を行えるよう、災害時応援協定の締結に向けた取り組みを推進しています。

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