公開羅針盤 V4シリーズ人事給与・庶務事務システム 導入事例

西宮市 様

人事給与と庶務事務システムを「公開羅針盤」に統合・刷新
多様な部局の運用にも対応しながら庁内DXを加速

兵庫県西宮市は「市民と共に新たな価値を生み出す市役所改革」を掲げ、市民の利便性向上や職員の業務効率化を目指したDXを推進しています。この一環として、老朽化した人事給与システムと独自に開発した庶務事務システムを更改しました。
新システムには両備システムズの「公開羅針盤 V4シリーズ」を採用し、内部情報システムを維持・管理の負荷軽減と業務効率化・ペーパーレス化の推進を果たしています。

西宮市 様

  • 2025年に市制施行100周年を迎えた西宮市。日本有数の酒どころとして、また文教住宅都市宣言に象徴される文化と教育の拠点として発展してきました。そして、西宮市は市民に快適な生活を支える「憩いと安住」の地として、次世代に向けた持続可能な社会の実現を目指しています。
  • https://www.nishi.or.jp/

対象製品

公開羅針盤 V4シリーズ

公開羅針盤 V4シリーズは、グループウェア、文書管理、庶務事務、人事給与からなる自治体の業務に特化した総合内部情報システムです。4製品のうち、西宮市では庶務事務と人事給与を導入。人事情報や給与情報、給与計算の根拠となる労務情報や届出情報を1つのパッケージで一元管理することができます。

庶務事務システム 詳細情報 人事給与システム 詳細情報

公開羅針盤を採用し申請の電子化と給与計算の効率化を実現
スムーズな連携によって大幅な工数削減

人事課/デジタル推進課の声

法改正や仕様変更への改修が課題
人事給与・庶務事務システムの刷新に踏み出す

西宮市は、「市民と共に新たな価値を生み出す市役所改革」を掲げ、市民の利便性向上や職員の業務効率化を目的としたDX推進に取り組んでいます。総務局 デジタル推進部 デジタル推進課 係長の衣川 倫 氏は、「西宮市ではDXを通じて単なるICT化の推進のみならず、業務のあり方そのものの見直しや組織改革を進めてきました」と説明します。こうしたなか、西宮市で課題として浮上していたのが、人事給与システムと庶務事務システムの刷新でした。総務局 人事部 人事課 係長の岩井 良太 氏は、「契機は2011年から利用してきた人事給与システムが保守期限を迎えていたことでした。また、現行のシステムは法改正や仕様変更のたびに改修が必要で、そのたびに費用と西宮市側の受入テストによる作業負荷が発生していました」と振り返ります。

西宮市 総務局
人事部 人事課 係長
岩井 良太 氏

総務局 人事部 人事課 副主査の髙谷 駿 氏も次のように続けます。「庶務事務システムは、西宮市がスクラッチで開発した独自システムのため、人事給与システム同様に制度改正への対応が負担となっていました。また、休暇や超過勤務の申請書、添付書類は紙で運用していたため、整理にかかる作業や管理に手間がかかっていました」(髙谷氏)
西宮市は人事給与システムと庶務事務システムの刷新を決定。掲げられた要件は、考えうるデータ連携をすべて盛り込んだ人事給与システムと庶務事務システムであること、電子化により利用者と運用側の両者の作業負担を減らすとともに、PCを配布されていない職員がモバイル端末からもシステムを利用できることでした。

西宮市 総務局
人事部 人事課 副主査
髙谷 駿 氏

人事給与・庶務事務システムに
「公開羅針盤V4シリーズ」を選定

プロポーザルの結果、選定に至ったのは両備システムズが提供する「公開羅針盤V4シリーズ(以下、公開羅針盤)」です。公開羅針盤が選択された理由は、掲げた要件を網羅していたことに加えて他の中核市におけるプロジェクトを通じて、両備システムズの豊富な導入実績や、きめ細やかな伴走支援が期待できることでした。
衣川氏は「庶務事務に関する業務を複数の業務システムで行っていたため、これまでの人事異動では複数システムのマスタデータの変更が生じていました。しかし導入後は、庶務事務システムとして1つに統合され、人事給与システムの辞令情報が連携できることで人事異動による負担が軽減できるようになっています」と語ります。
岩井氏も「プロジェクトを進めるなかで、スケジュールの遅延が発生しそうな場面にも何度か遭遇しました。そのような状況でも、両備システムズは打ち合わせの回数を増やしたり、エンジニアを増員したりしてくれるなど、常に進捗を管理してくれました」と評価します。

2025年1月から本番運用が開始された公開羅針盤は、これまで紙だった事務の電子化をはじめ、西宮市の庁内DXの機運を高めることに貢献しています。多様な勤務形態にも柔軟に対応できる公開羅針盤は、あらゆる業務部門で活用され効果を生んでいます。

西宮市 総務局
デジタル推進部 デジタル推進課 係長
衣川 倫 氏

こども園課の声

保育所のシフト管理にかかる負担を軽減
職員は各種届出をスマートフォンから申請

公開羅針盤は、市長部局の職員とは異なる給与計算や勤務管理にも柔軟に対応しています。西宮市の保育所や認定こども園の運営指導を行っているこども園課は、このメリットを活かして運用負担を大きく減らすことができた部門の1つです。保育に関する相談や情報提供、待機児童対策、保育士の確保や育成支援のほか、保育士など職員の人事給与や勤怠を含む事務管理も担っています。

こども園課では、これまで人事給与や庶務事務の管理で課題を抱えていたといいます。こども支援局 子育て事業部 保育こども園課 係長の田中 純平 氏は「保育所の職員は、日によって勤務時間帯が異なります。以前の勤怠管理システムは保育士のシフト入力の方法が複雑で、作業に多くの手間がかかっていました。また、一度作成したシフトが削除できず、過去の不要なシフト情報が残るなどの不都合も生じていました」と語ります。

西宮市 こども支援局
子育て事業部 保育こども園課 係長
田中 純平 氏

「システムの刷新にはシフト作成のしやすさを考慮し、職種や勤務時間が多岐にわたる保育士の業務に順応できるようにしました。併せて、管理項目についても職種や手当などの単価設定で、より自由度の高い操作ができることも要件に掲げました」と、保育こども園課 係長の住田 晃 氏は続けます。
このほか、従来は勤怠管理システムと人事給与システムが連携しておらず、データの受け渡しには一時的に別のシステムを介する必要があったため、入力作業や確認に負担が生じていたといいます。公開羅針盤による刷新では、庶務事務システムに入力した勤怠情報は人事給与システムに直接反映されるため、データの受け渡しや確認に要する負担が減っています。さらに、保育士などの職員が庶務事務システムに直接シフトを入力できるようになりました。
田中氏は「入力ミスがあれば保育士自身で修正できるようになったため、管理者が確認する負担も抑えられています」と話します。実際、保育所でのエラーチェック件数は減少しており、導入後数カ月経過した現在では、入力エラーを2~3割ほど削減されているといいます。

また、庶務事務システムでは、通勤や扶養控除などに関する届出をモバイル端末から申請が可能になりました。住田氏は、「引き続き公開羅針盤の活用を広げることで、さらなる業務効率化に取り組んでいきたいと考えています」と今後の展望を語りました。

西宮市 こども支援局
子育て事業部 保育こども園課 係長
住田 晃 氏

消防総務課の声

交代制勤務など消防局特有の勤務形態に対応
勤怠管理から決裁、給与計算までを一元化

消防局 総務部 総務課は、西宮市の消防職員を対象に給与計算や社会保険事務などの業務を担っています。これまでは消防局も紙や複数のシステムを併用していたことで、多くの課題が浮上していたといいます。

消防局 総務部 総務課 消防主任の安居 優太朗 氏は、「以前の勤怠管理は、消防局独自のシステムを使用しており、そこで入力したデータを再度、人事給与システムに入力する作業が必要でした。また、異なるベンダーのシステムであったため、修正が発生した場合には個別に訂正処理が必要で訂正漏れなどのミスが生じることに不安を抱えていました」と振り返ります。また、特殊勤務手当や出動手当の申請が紙の書類で行われることも多く、管理が煩雑になっていました。
「各拠点から集まる膨大な量の書類を確認し、さらに入力されたデータと照合する作業に多くの時間を要していました。また、紙の書類で申請された内容で決裁が行われたものの、その後紙に修正が入り、データの修正を忘れてしまったため不一致が生じてしまうこともありました」(安居氏)
さらに消防士という職業柄、交代制勤務者が多いことから事務手続きも複雑で、特に年末年始などの繁忙期には給与計算事務に多くの時間を要し、残業が常態化していたといいます。

導入された公開羅針盤は、各職員が庶務事務システムに入力した時間外情報、休暇情報、各種手当に関する情報を人事給与システムと連携できるようになっています。これにより、勤怠管理から決裁、給与計算までを1つのパッケージで処理できるようになり、業務にかかる負荷を削減できました。また、夜間勤務手当や休日手当などもシフト情報に基づき自動で計算・支給される仕組みや、システム内で通勤届の処理と料金計算ができる機能も実装され、業務効率化を支えています。そして紙を用いた処理が削減され、スムーズな事務手続きや管理ができるようになっています。安居氏は、「業務運用上の悪影響も見据えながら、両備システムズに最適なシステム設計をしてもらえました。これにより、正確性を担保しながらスムーズな事務を行えています」と評価します。公開羅針盤によって、これまでの業務負担を軽減させた消防局。安居氏は、今後も両備システムズの支援のもと、業務の内容に合わせたさらなる業務変革に取り組んでいきたいとしています。

西宮市 消防局
総務部 総務課 消防主任
安居 優太朗 氏

自治振興会/生活協同組合の声

給付金の交付や互助会費の引き去りなど
入力の省力化で処理がスムーズに

西宮市職員自治振興会は、会員の福利厚生に関する給付・貸付・共済などの事業を通じて、職員の公務運営の補助を担っています。そして、西宮市職員生活協同組合は、勤務する職員とその家族のための生活協同組合であり、物品の購買から旅行、保険までさまざまなサービスを提供しています。

これまでの人事給与システムが抱えていた課題について、西宮市職員自治振興会では、「給付金の給付では、給与支払い対象外の職員の場合、インターネットバンキングなどに1件ずつ手作業で入力していたため、手間と時間がかかっていました。また、互助会費の引き去り管理もExcelへ手動で入力していたため、入力ミスのリスクがありました」と振り返ります。

また、西宮市職員生活協同組合も、「従来の人事給与システムは、多くの入力項目がありました。現在では使われていないものもありましたが、項目の削除や変更が行えず、必要な項目を探し出すのにスクロールを繰り返さなければなりませんでした」と振り返ります。公開羅針盤 人事給与システムの新バージョンへの移行によって、給与支払い対象外の職員であっても給付金の給付ができるようになりました。「月ごとの給与処理に合わせて、Excel上でデータを整理し公開羅針盤にアップロードするだけで、処理がスムーズに行われるようになっています。手作業での入力がなくなったことで、ミスの発生や負担も軽減されました」(西宮市職員自治振興会)

西宮市職員生活協同組合も「公開羅針盤上で、項目の設定や変更を私たちが行えるようになりました。不要な項目が削除できたことで、作業効率も向上しています。また、登録された情報の修正を行う場合にも、氏名やコードに基づいて行えるなど、自由度の高いインターフェースを実現しています」と評価します。

そして、システムの設計や導入における両備システムズのサポートも高い評価を得ています。「両備システムズは私たちが掲げる要望に常に耳を傾け、真摯に対応してくれました。何か相談や問い合わせをすれば、すぐに回答を寄せてくれたり、時には機能検証を行ったりしてくれました」(西宮市職員生活協同組合)

公開羅針盤の導入によって、さまざまな部門を横断して業務効率化を果たした西宮市。今後も両備システムズの支援のもと、庁内DXはさらに加速していく見通しです。

公開羅針盤の導入効果
※所属部署・役職など、記事内に記載の内容は、2025年8月時点のものです。

《 人事給与・庶務事務システム 導入事例 》 このサービス・製品へのお問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

公共ソリューションカンパニー
086-264-0113
受付時間/9:00~17:00(定休日/土・日・祝日)

WEBからのお問い合わせ

最新の事例

PICK UP