電子カルテとケアキャビネットの共有基盤により
多職種での情報連携で訪問診療・看護の質を向上
ケアキャビネット 導入事例

社会医療法人社団 健友会 中野共立病院 様

文書から写真まで多様な患者情報を多職種の職員が共有、 地域の診療・看護活動の高度化を推進

厚生労働省による「地域包括ケアシステム」の整備が進められているなか、在宅医療が担う機能や役割はますます重要度が増している。長年にわたり地域医療に力を入れてきた中野共立病院は、両備システムズの電子カルテと合わせて、在宅医療連携ツール「ケアキャビネット」を導入。医師や訪問看護師が病院、訪問看護ステーションなど、在宅医療の現場から患者情報にアクセスできるようになり、訪問診療・看護サービスの質的向上を実現した。

中野共立病院 様

  • 1949年に開設された中野共立病院は、東京都指定二次救急医療機関として24時間365日体制で救急医療に対応するほか、地域包括ケア病棟の運用や人工透析、訪問診療やリハビリテーションに力を入れるなど、地域の医療ニーズに応えています。また、退院後も継続的な医療や介護のサポートが必要でありながら、通院が困難な患者に対して訪問診療や訪問看護、リハビリなど、自宅で受けられる在宅医療にも積極的に取り組んでいます。

対象製品

ケアキャビネット

ケアキャビネットは、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した安全な環境で、多職種連携が行えるクラウド型の情報共有システムです。写真や動画、電子書類の共有により、即時性・同時性を兼ね備え、さまざまな職種にわたって情報共有を実現し、個々の状況や変化に応じた対応を支援しています。

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お客様インタビュー

在宅医療の質の向上には
スムーズな患者情報の共有が必須

社会医療法人社団 健友会 中野共立病院は、1949年の開設以来、東京都中野区・杉並区を中心とした地域の医療を支えてきました。基幹となる中野共立病院は、付属健診センターをはじめ、10カ所の診療所や5カ所の訪問看護ステーションのほか、在宅介護支援センターを持ち、外来診療から訪問診療や訪問看護、訪問介護、通所リハビリといった在宅医療、介護まで総合的にサポートしています。
こうした地域の患者へのケアをさらに充実させていくために不可欠だったのが、各施設間における患者情報の迅速かつスムーズな共有でした。中野共立病院 ICTシステム室 有馬 聖喜 氏は、「これまでは各施設が独自に患者情報の管理を行っていました。また、書式も標準化されておらず、施設間でのスムーズな情報共有が困難となっていました」と説明します。「カルテや医療指示書をはじめとした患者情報は一部の診療所で電子化されていたものの、多くは紙書類を用いて記録・管理されていました。また、患者の引っ越しなどにより、診療所や訪問看護ステーション間で患者情報が引き継がれる際には、FAXや電話で連絡したり、紙書類を施設間の巡回便で送ったりする作業が発生していました。さらに、FAXは受信確認の電話をする必要があり、その電話がつながりにくい、という煩わしさもありました」(有馬氏)

紙による患者情報の記録と管理は、訪問看護師にも負担を強いていたといいます。上高田訪問看護ステーション統括所長 看護師 中根 綾 氏は、「病院側から送付される紙の医療指示書や、訪問看護師が手書きして病院側に送付する訪問看護報告書など、紙でのやりとりが行われていました。これらの医療文書は、患者ごとにファイリングしてキャビネットに保管しているのですが、診療を重ねるとともにファイルに閉じられる書類も増え、保管や管理のスペースにも苦心していました」と振り返ります。
上高田訪問看護ステーション 主任 看護師 竹木 彩子 氏も、「基本的に法定保存期間である診療終了後から2年~5年経過した書類は処分していました。しかし、数年後に再診される患者もいるため、保存期間を過ぎてもすぐに書類を破棄できないケースもあり、その分別や管理に悩みを抱えていました」と話します。
必要な情報をすぐに見つけられないことも課題でした。上高田訪問看護ステーション 看護師 中嶋 真理子 氏は、「複数の書類にわたって患者の情報が散在しており、必要な情報を見つけるのに一枚一枚紙をめくって調べなければなりませんでした」と語ります。

社会医療法人社団
健友会 中野共立病院
ICTシステム室
有馬 聖喜 氏

運用の容易性と電子カルテとの連携により
「ケアキャビネット」を採用

こうした課題の解決に向けて、中野共立病院が2015年に導入したのが、両備システムズの電子カルテ、そして在宅医療連携ツール「ケアキャビネット」です。有馬氏は、「当院の施設数、病床数にシステムの規模感が合致していたこと、クラウドサービスとして提供されるため、物理サーバーの運用保守や、数年に一度行われるシステム更新から解放されることが選択の理由です。また、クラウド利用で不安視されるセキュリティについても、国内にある両備システムズの自社データセンターで運用されているため、安心であると考えました」と説明します。「何より、電子カルテとケアキャビネットとの連携により、患者の情報が一元管理されることで、いつでもどこからでも情報にアクセスできるようになること、これにより複数の施設間でのスムーズな情報共有と活用が可能となることが、採用の決め手となりました」(有馬氏)

ケアキャビネットの利用イメージ

必要な情報に容易にアクセス
業務効率化と医療サービスの質の向上

両備システムズの電子カルテとケアキャビネットの導入により、中野共立病院には多くのメリットがもたらされています。

基幹病院のメリット

有馬氏は、「中野共立病院の医師が他の診療所に訪問している際に、病院に入院している患者の容態が急変した場合でも、すぐに電子カルテを開いて指示が出せるようになっています」と話します。場所を問わずに医療文書を作成できるようになったことも医師から好評だといいます。また、文書だけでなく、撮影した写真をケアキャビネットに登録し管理・共有できることも評価されています。
「退院前の訪問指導などで患者の自宅に伺った際に、住環境を撮影してケアキャビネットに登録、その写真を表示させながらご家族に手すりの設置などを提案したり、残薬の状況を撮影して薬局と情報共有したりするなど、多くの場面で活用しています。ケアキャビネットに登録された写真をコピーして電子カルテに簡単に貼り付けられることも利便性が高いですね」(有馬氏)

IT管理者のメリット

ケアキャビネットはクラウドサービスとして提供されるため、日々のサーバー運用の管理負担やシステム更改が不要で、患者情報の共有にかかる作業負荷とコストが大幅に削減されています。「また、クラウドのメリットとして、PCが故障した場合、新しいPCを用意してライセンス移行を行えば、数時間もかからずに電子カルテやケアキャビネットにアクセスできるようになっています」と有馬氏は評価します。

訪問看護師のメリット

患者情報が電子化されたことで、書類の保管にかかる負担が抑制されるとともに、必要な情報に迅速なアクセスできるようになったことは、大きなメリットだといいます。竹木氏は、「他の施設に訪問している際にも、ケアキャビネットを経由して気になっている患者の情報にアクセスして経過観察を行ったり、訪問看護計画書や報告書を作成したりできるようになりました」と話します。
医療活動の質的向上にも貢献しています。中嶋氏は、「ケアキャビネットと電子カルテと合わせて情報を参照することで、医師からの診療の意図が明確に分かるようになり、訪問看護の際にも患者の状況に合った対応ができるようになりました」と語ります。看護師からの所見もケアキャビネットに記入し、医師と診療に関してディスカッションを行う場面が増えているといいます。

そして、夜間・深夜の緊急訪問看護にも、迅速で適切な対応がとれるようになったことも、大きなメリットです。中根氏は、「これまでは夜間に患者からの緊急電話があった場合、看護ステーションに一度立ち寄り、ファイリングされている患者情報を参照してから対応にあたっていました。現在では手元のiPadを使って詳細な情報にすぐにアクセスできるため、スピーディかつ適切な対応が可能となりました。また、患者のところに今すぐにでも向かわなければならないのか、電話だけで済むのかの判断も適切に行えるようになっています」と話します。さらに中根氏は、毎朝、ケアキャビネットにアクセスして訪問看護記録を参照し夜間の呼び出しの有無を確認しています。対応した看護師には時差出勤を促すなど、労務管理にも活用しているといいます。

上高田訪問看護ステーションの看護師の皆様
上高田訪問看護ステーションの看護師の皆様

両備システムズの電子カルテとケアキャビネットにより、より質の高い在宅医療の提供をはじめとする医療介護DXを実現した中野共立病院。有馬氏は、「今後は、一層の情報共有を推し進めていくほか、外来患者向けのWeb予約システムの構築など、ITを活用したさらなる医療サービスの向上に取り組んでいきたいと考えています」と意欲を見せています。

ケアキャビネットについて

在宅医療連携ツール「ケアキャビネット」は、医療・介護情報の連携基盤をクラウドで構築し、PCやタブレット、スマートフォンから「いつでも」「どこでも」写真や動画を含む患者情報を投稿・参照することができます。在宅医療の現場において、必要な情報を多職種の職員(医師や看護師、ケアマネジャー、介護職員など)がクラウドで情報共有することで、業務改善による働き方改革や患者サービスの質の向上に貢献します。

在宅医療の現場で起こりがちな課題と「医療介護DX」推進に向けたケアキャビネットの活用メリット

 

さまざまな形式の患者情報を一元管理

日々のケア記録や、主治医の意見書、地域における情報共有書などの電子ファイルを患者情報として1画面で管理することができます。褥瘡箇所の写真やリハビリ歩行状態の動画なども時系列で一元管理・参照できます。

 

マルチデバイス対応

iPadやiPhoneにも対応しているため、患者宅への訪問前や訪問時に患者情報や医師の指示内容などを確認することができます。カメラ機能を用いることで、患者や患者宅の様子を写真や動画で安全に共有することもできます。

 

ケアキャビネットの関連製品

中小規模病院向け クラウド型電子カルテ OCS Cube-Smart

セキュリティ対策、快適なレスポンスで「安心・安全」なクラウド型電子カルテでチーム医療をサポートします。両備システムズは、1977年に全国で初めてオンラインによる医事会計を販売開始し、2009年にクラウド型電子カルテを販売開始した老舗メーカーです。医事会計・オーダリング・電子カルテ・看護支援等ご要望に応じてご提案が可能です。

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