必要な情報に容易にアクセス
業務効率化と医療サービスの質の向上
両備システムズの電子カルテとケアキャビネットの導入により、中野共立病院には多くのメリットがもたらされています。
基幹病院のメリット
有馬氏は、「中野共立病院の医師が他の診療所に訪問している際に、病院に入院している患者の容態が急変した場合でも、すぐに電子カルテを開いて指示が出せるようになっています」と話します。場所を問わずに医療文書を作成できるようになったことも医師から好評だといいます。また、文書だけでなく、撮影した写真をケアキャビネットに登録し管理・共有できることも評価されています。
「退院前の訪問指導などで患者の自宅に伺った際に、住環境を撮影してケアキャビネットに登録、その写真を表示させながらご家族に手すりの設置などを提案したり、残薬の状況を撮影して薬局と情報共有したりするなど、多くの場面で活用しています。ケアキャビネットに登録された写真をコピーして電子カルテに簡単に貼り付けられることも利便性が高いですね」(有馬氏)
IT管理者のメリット
ケアキャビネットはクラウドサービスとして提供されるため、日々のサーバー運用の管理負担やシステム更改が不要で、患者情報の共有にかかる作業負荷とコストが大幅に削減されています。「また、クラウドのメリットとして、PCが故障した場合、新しいPCを用意してライセンス移行を行えば、数時間もかからずに電子カルテやケアキャビネットにアクセスできるようになっています」と有馬氏は評価します。
訪問看護師のメリット
患者情報が電子化されたことで、書類の保管にかかる負担が抑制されるとともに、必要な情報に迅速なアクセスできるようになったことは、大きなメリットだといいます。竹木氏は、「他の施設に訪問している際にも、ケアキャビネットを経由して気になっている患者の情報にアクセスして経過観察を行ったり、訪問看護計画書や報告書を作成したりできるようになりました」と話します。
医療活動の質的向上にも貢献しています。中嶋氏は、「ケアキャビネットと電子カルテと合わせて情報を参照することで、医師からの診療の意図が明確に分かるようになり、訪問看護の際にも患者の状況に合った対応ができるようになりました」と語ります。看護師からの所見もケアキャビネットに記入し、医師と診療に関してディスカッションを行う場面が増えているといいます。
そして、夜間・深夜の緊急訪問看護にも、迅速で適切な対応がとれるようになったことも、大きなメリットです。中根氏は、「これまでは夜間に患者からの緊急電話があった場合、看護ステーションに一度立ち寄り、ファイリングされている患者情報を参照してから対応にあたっていました。現在では手元のiPadを使って詳細な情報にすぐにアクセスできるため、スピーディかつ適切な対応が可能となりました。また、患者のところに今すぐにでも向かわなければならないのか、電話だけで済むのかの判断も適切に行えるようになっています」と話します。さらに中根氏は、毎朝、ケアキャビネットにアクセスして訪問看護記録を参照し夜間の呼び出しの有無を確認しています。対応した看護師には時差出勤を促すなど、労務管理にも活用しているといいます。
上高田訪問看護ステーションの看護師の皆様
両備システムズの電子カルテとケアキャビネットにより、より質の高い在宅医療の提供をはじめとする医療介護DXを実現した中野共立病院。有馬氏は、「今後は、一層の情報共有を推し進めていくほか、外来患者向けのWeb予約システムの構築など、ITを活用したさらなる医療サービスの向上に取り組んでいきたいと考えています」と意欲を見せています。